京町家の活用事例

Vol.2 借り暮らしの京町家でお店を始めた浜谷さん

Vol.2 借り暮らしの京町家でお店を始めた浜谷さん

浜谷邸は岩上通の蛸薬師下がったところ,周辺に町家の多い通り沿いにあります。軽やかな緑色の小さな旗が,「すまいの雑貨店sumao」さんの目印です。
「古い木の家に住みたい」。そんな想いで,京都だけでなく,宝塚や奈良などの物件を探されていた中で,ご縁のあった物件がこの京町家だったそうです。
出会ったときには台所やトイレ,お風呂といった水周りは改修されていて,日常的な生活に特に不便はなかったようですが,入居して2 年後に,より快適に暮らすために,改修に踏み切られたとのことです。

改修のポイント

生活しながらの床暖房の工事の様子

居住している状態での改修工事だったこともあり,壁に貼られていた合板を剥がし,土壁を塗り直すなどの工事には,家族全員で取り組まれたそうです。
改修の大きなポイントとしては「床暖房」。冬の京町家の寒さも,床暖房を入れることで大きく変わったとのこと。
夏に暑さを感じておられた2 階部分も,屋根の下地面での断熱を行い,天井高さを確保されました。
その改修から数年後,今度は「ミセの間」をお店として活用するための改修をされています。

京町家の魅力

京町家の多くは,間口全部が公道に開いています。でもミセの間がプライベートな空間との緩衝帯になっていたり,のれんや建具で仕切ることができたり,住まい手の都合に合わせて,使いたいように使わせてくれる懐の深さも魅力の1 つ。木の柱や梁は,釘を打つこともできるし,住まい手が住まいに手を加えることができる喜びがあると,おっしゃっておられました。

京町家での借り暮らしのコツ

いろんなイベントの場としても利用できるフレキシブルな空間

格子戸からショーウインドウとなる大きなガラスの建具へ

浜谷さんのお宅は,大家さんがお近くにお住まいということもあって,改修の際の相談なども,小まめに丁寧にされておられます。大家さんとの信頼関係を築くこと,大家さんに不安を与えないように配慮することも,町
家暮らしを楽しむコツのようです。
お店を始める際,建物の正面の格子から,大きなガラスの建具に変えておられます。外した格子は,またいつか,元の姿に戻すことができるように残しておられます。

「賃貸だから」というだけでなく,元々地域にあった,人よりも寿命の長い京町家に「住まわせてもらっている」,そして「次の人のことを考えて使う」ことを意識しておられる姿が印象的でした。